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  • 「バイオ政治学」とは

    こんにちは しほです♪
    寒くなってきましたが、ブログをご覧のみなさまお元気ですか。

    私は今年、大学で「バイオ政治学」という講義を受講していました。
    ・・・バイオ?政治??と思われた方も多いと思います。
    今日はその「バイオ政治学」について少し紹介します★


    バイオ政治学とは、「バイオ科学研究を人間の幸福・興奮・充実に結びつけるにはどうしたらよいのか? 生命科学の立場から、科学技術(生命科学)のあり方を考え、バイオ研究者と国と社会はなにをどうすべきなのか?」という問題意識で、現状を科学的に分析し、知識、考え方、スキルを構築し、人間社会に役立てる学問です。白楽ロックビル先生*1が1995年に、科学社会学の一領域として提唱しました。具体的には、生命科学系キャリア問題、研究者倫理問題、メディアの中の生命科学問題、生命科学政策と研究動向を扱っています。


    学問と研究開発の急速な発展に伴い、生命科学に関する学科・専攻の学生定員は大幅に増えました。しかし、それを受け入れる専門職はそれほど増えていません。20年前までの博士号取得者は、大学教員や国公立研究所の研究者になれましたが、現在は数割しかなれないのです。このような「生命科学系の院生の進路」「生命科学分野の人材育成」などのキャリア問題も扱っています。

    研究者倫理問題には、セクハラや研究費不正、ねつ造、改ざん、盗用などがあります。
    みなさん、このような問題について説明や教育を受けたことはありますか? 普段あまり考えたことはないかもしれませんが、文理を問わず研究者倫理の理解は大切です。

    私たちの生活や考え方はメディアの影響を受けています。そのため、メディアが生命科学をどのように描くのかがとても重要になります。みなさんは「遺伝子組み換え食品」は安全だと思いますか? その根拠は? 日本の多くの消費者は「遺伝子組換え食品」に否定的です。しかしその判断は、遺伝子組換え食品の安全性に関する研究論文などを読んでされたものではなく、メディアを通して得られたイメージによるものではないでしょうか。メディアが生命科学をどう描くかを科学量論的に研究することで、メディアのあり方やメディアの内容に対する議論を、主観ではなく科学の領域に押し上げ、「あるべき姿」を提示することができます。

    生命科学は、遺伝子組み換え技術の導入により、かつてないほど生物改造が可能になりました。遺伝子組み換え技術を応用した食物は大豆やトマトなどが有名です。食べ物だけではなく生命科学技術は人間へも適用されるようになり、生殖医療やES細胞、iPS細胞による新しい時代を迎えようとしています。生命科学は人間生活に必要な病気の予防・診断・治療や食糧増産だけではなく、生殖や臓器移植、美容や快楽にも適用されているのです。しかし、これらはどこまで進んでいいのでしょうか? 生命科学の考えや・技術の動向や限界は常に把握されなければなりません。私たちは、新しい生命科学技術をどの程度許容するのかも考えておなかなければいけないでしょう。

    以上、バイオ政治学について簡単にではありますが説明しました。
    興味のある方は、白楽先生がたくさんの本を出版されていますので、ぜひ読んでみてください。


    *1 白楽ロックビル
    IMGP0496-2+wL_convert_20111129131300.jpg
    (写真:バイオ政治学の講義での林先生)

    本名:林 正男
    現在、お茶の水女子大学大学院ライフサイエンス専攻教授。
    理学博士。専門はバイオ政治学、生化学、細胞生物学。
    ウェブサイトは http://www.haklak.com/

    最近の著書・訳書(入手先はhttp://www.haklak.com/を参照)
     『バイオ政治学 第1巻』/2009.4.10/白楽ロックビル(著)/ニシダ印刷製本(出版)
     『グリンネルの科学研究の進め方・あり方』/2009.11.28/グリンネル(著)、白楽ロックビル(訳)/共立出版(出版)
     『理工系&バイオ系 大学院で成功する方法』/2010.6.20/ゴスリング&ノールダム(著)、白楽ロックビル(訳)/日本評論社(出版)
     『科学研究者の事件と倫理』/2011.9.20/白楽ロックビル(著)/講談社(出版)/『バイオ政治学 第2巻』に相当
     『バイオ政治学 第3巻 メディアの中の生命科学と生命科学用語のあり方』/2012.2月(予定)/白楽ロックビルと白楽研究室(著)/勝李軒(出版)

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